波よ聞いてくれ
無限の住人で知られる沙村広明による青年漫画で、2014年から『月刊アフタヌーン』(講談社)にて連載。
漫画家・沙村広明『無限の住人』とはまったくちがう方向性で描いた最新作を『機動戦士ガンダムシリーズ』や『ラブライブ!』を手がけるサンライズが制作。
予測不能な無軌道ストーリーアニメ『波よ聞いてくれ』が、大暴れします。
あらすじ
札幌在住、スープカレー屋「VOYAGER」で働く鼓田ミナレがいつものように仕事をしていると、店内のラジオから元カレを罵倒するミナレの声が流れてきました。
前日、酒場で偶然知り合った地元FM局「MRS」のディレクター・麻藤兼嗣に炸裂させた失恋の愚痴が、生放送で流されていたのです。
ミナレは放送を止めようとラジオ局へ乗り込みますが、悪びれもしない麻藤に言いくるめられ、全力の弁解トークをアドリブで披露する羽目に。
ところがこの放送が反響を呼び、やがてミナレは深夜帯に冠番組を与えられることに。
ミナレは、VOYAGERで働きつつラジオパーソナリティとしての活動を開始します。
ミナレの番組のタイトルは『波よ聞いてくれ』。
北海道・札幌のラジオ局を舞台に、道産子女子がしゃべりまくります。
個性爆発!登場人物紹介
「光雄!お前は地の果てまでも追いつめて……殺す!!」
本作の主人公。26歳、独身。
本職はスープカレー店「ボイジャー」の店員だが、ひょんなことから藻岩山ラジオ局(MRS)の深夜番組『波よ聞いてくれ』のパーソナリティに抜擢。
麻藤からは素人離れした滑舌、人を煽るような声と語彙、頭の回転の良さを評価される。
明るくてサバサバとした気の強い破天荒なところもある女性で、普段からかなり個性の強い独特な比喩表現や語気の強い喋り方をする人物でもあります。
一度何かに意識を向けるとそればかりになり、周りが見えなくなるという猪突猛進な部分も大いにある女性。
そうかと思えば自分に都合の悪いことが起きたり、自分にとってそれとは別に得になるようなことがあればすぐに掌を反すようなお調子者。
麻藤兼嗣(CV:藤 真秀)
「俺は思いっきり遊んでみてえんだよ。お前の声をおもちゃにして」 藻岩山ラジオ局(MRS)の制作部チーフディレクター。
ミナレの才能をいち早く評価し、ラジオ業界へ引き込む。
ミナレのラジオ業界進出におけるフィクサーでもある。
深夜ではあるもののラジオ番組の要となるスポンサーを用意しない、いわゆるノンスポンサーの番組をミナレのために制作しました。
面白い番組を作る為には予想外のトラブルがあってこそ、というような形の考え方も持っている様子。
適当な言動が多いがかなりのやり手で上層部にも顔がきく。
南波瑞穂(CV:石見舞菜香)
「とにかく私、ミナレさんを応援してますから」 藻岩山ラジオ局(MRS)のアシスタントディレクター。
学生時代からラジオ業界を志していた。
ミナレ曰く「大したことでないのに笑い転げる燃費の良さ」と「買った惣菜を皿に盛り付けるような几帳面さ」を持つ。
性格も良いいわゆる「いい子」ですが、これまでに恋愛経験はないそう。
またペットの亀を3匹飼っており、それぞれに名前を付け全員の好みにあわせて餌を分けて用意していたりと、自身の真面目さを存分に発揮させています。
久連木克三(CV:山路和弘)
「……こういう時のために飼われてるわけだからな」 藻岩山ラジオ局(MRS)の雇われ構成作家。
本職は官能小説家だが、一般小説も執筆している。業界歴は長く、急遽必要になった原稿を仕上げたり、読者投稿をでっちあげたりするのもお手の物。 ミナレの機転を高く評価している。
一般小説で賞を狙っていたが落選。
臨時講師としてミズホの高校でラジオ局について講義をし、女子高生だったミズホの進路を決定づける。
何故か女性によくモテるが、本人は女性あしらいが苦手のよう。
麻藤とは古くからの付き合い。
茅代まどか(CV:大原さやか)
「私達と一緒にラジオのお仕事してみない?」 藻岩山ラジオ局(MRS)の人気パーソナリティ。
ミナレの失恋トークが流された、昼時間帯の生放送番組『茅代まどかの September Blue Moon』を担当。 それ以来、ミナレのことを折に触れて気にかける。
大学時代の失恋経験から、ミナレに敵対心を持っている一方、「面白い」と評価もしている。
頭の回転が早く、リスナーには優しいが、ミナレには厳しい。
皮肉屋。
甲本龍丞(CV:石川界人)
「臨場感出したかったら収録がいいですね」 藻岩山ラジオ局(MRS)のミキサー。
やや無愛想だが仕事に実直。
車での送迎や声の出演、カチコミなど何でもやる。
ガラスを蹴り破れる脚力の持ち主。
「不愛想だが顔はそこそこ。休日はアウトドア派」(ミナレ談)。
瑞穂に好意を寄せているが、うまく気持ちを伝えられない不器用な面も。
中原忠也(CV:矢野正明)
「ミナレさんッ! やめましょうよ! そんな虚業!」 スープカレー店「ボイジャー」の従業員。主にキッチンを担当。
髪型こそ攻めているが、繊細な一面を持ち、情に厚いところもある。
ミナレに好意を寄せており、ラジオ業界へ進むのを反対する。
未来の奥さんと一緒に自分だけの店を持ちたいという夢を持っています。
根が真面目な性格ということもありミナレにずっと健気な思いを一途に寄せていますが、その件に関してはミナレにはずっとつれない態度を取られている様子。
城華マキエ(CV:能登麻美子)
「こちらの店のお手伝いをさせていただいたらご迷惑でしょうか」 兄が「ボイジャー」の店長に交通事故でケガを負わせた責任を感じ、復帰するまで店の手伝いを申し出る。
儚げな雰囲気を持つが、はっきりした物言いをすることも。作中最強の剣客ではない。
軟禁時代からラジオを聴いており、ラジオのメール職人から構成作家を目指す。
スターシステムのキャラであり、「無限の住人」に同名のキャラがいて声優も同じ。
※ひとりの役者がいろいろな役を演じるように、ひとりのキャラクターがいろいろな役に扮して別のマンガに出演すること。
宝田嘉樹(CV:島田 敏)
「アンタの命は夏祭りが終わるまでは預かっておくからね!」 スープカレー店「ボイジャー」の店長。
カレー激戦区の札幌でありながら、繁盛店をつくるほどの腕の持ち主。
ミナレに対して声を荒げることも多いが、接客スキルを褒めてもいる。ミナレに対し接客スキルは認めているが、店のイメージを壊すため厳しくあたる。
ユーミンが好き。
マキエの兄が好みだったため、事故に対して寛容である。
須賀光雄:(CV:浪川大輔)
「あ、いた、ミナちゃん、ミナちゃ~ん!」 ミナレの元カレ。
「父親の会社が不渡りを出した」と嘘をつき、ミナレから50万円を騙し取って消える。
しかし、後にミナレのラジオを聞き、再び接触してくる大胆不敵な男。
いつも手ぶらで行動し、女性にお金を出させる天才。
屈託のない子供のような笑顔がチャームポイント。
女性の身なりの変化に敏感だが、「老けて見える」などバカ正直に言ってしまう。
甘え上手。
持ち逃げのあと別の女性と付き合っていたが殺されかけ、ミナレと寄りを戻そうと25万を持って近づく。
まとめ
ぶっ飛んだキャラ達は、彼ら彼女らなりに普通に生きています。
でもその「普通」が一般人からすると普通ではないのが笑えます。
特にミナレのキャラはピカイチです。頭の回転が速く怖ろしいほどパワフルで、嫌味がない。
ミナレの軽快なツッコミ&トークが最高。
日常生活で使えないんだろうなぁ…と感じさせるコアな例えやツッコミのオンパレードで面白い。ラジオ好きとしてもリアルな裏側に興味をそそられます。
北海道ご当地情報やラジオ業界の雰囲気も味わうことができ、ギャグアニメではないのにすごく笑える。
小ネタは秀逸で、時々ドーンと面白いものが降ってきますので、軽い気持ちでぜひ見てみてください。